はじめに
序論 中国科学の新展開――術数学という研究領域
第一部 術数学のパラダイム形成
第一章 陰陽五行説はいかに形成されたか 無から有への万物生成論――中国的二元論
五行と六徳、天道と人道――思孟学派の五行説
刑徳を推す兵法――中国占術理論の起源
天の六気、地の五行――五行説の初源的数理
灸経から鍼経へ――漢代鍼灸革命の道
第二章 物類相感説と精誠の哲学 同類、同気の親和力――天人感応のメカニズム
類推思考と不可知論――自然探究の方法論 精誠、
天を感動させる――技能者と賢妻の精通力
王充の迷信批判と占術論――「気」の自然学
第二部 漢代思想革命の構造
第一章 原始儒家思想の脱構築
諸子百家から儒教独尊へ――思想空間の漢代的変容
災異、讖緯と天文占――政治思想と天文暦数学
老子と孔子の交錯――易の台頭と京氏易
世紀末の予言と革命――王莽と光武帝のクーデター
第二章 漢代終末論と緯書思想
秦漢帝国の改暦事業――易姓革命のサイエンス
五星会聚の暦元節――顓頊暦の惑星運動論
聖王出現の暦運サイクル――孟子から緯書へ
天地開闢説と古代史の創造――緯書暦の数理構造
附録 術数学研究を振り返って(参考文献)
結びにかえて/索引