序 吾妻重二
序章 本書の立場
一 中国における天文学と天の思想
二 科学と術数
三 張衡について
四 中国古代の宇宙論
五 本書の構成と目的
(参考)張衡年譜
第一章 「渾」の用法に見る渾天説の原義
一 上古音から見る「渾」の類型
二 「渾天」の用例
三 古代の文献に見られる「渾」
四 揚雄における「渾」の用法
五 張衡における「渾」の用法
おわりに――渾天説の原義
第二章 『霊憲』と『渾天儀』の比較
一 『霊憲』と『渾天儀』の比較
二 『渾天儀』は張衡の作か
三 『霊憲』と『渾天儀』の扱いの相違の要因
(参考)『渾天儀』の張衡著作部分と後世の注釈部分について
第三章 渾天説の天文理論
一 張衡の渾天説――張衡は地球概念をもっていたか
二 天文理論の継承と発展
第四章 渾天説と尚水思想
一 尚水思想の系譜
二 渾天説における尚水思想
三 張衡と尚水思想と崑崙山
四 天・地・水の思想
第五章 張衡「思玄賦」の世界観
一 張衡と「思玄賦」
二 「思玄賦」の内容と構成
三 崑崙と黄帝、西王母の位置
四 天上世界の描写 おわりに――「思玄賦」と張衡
第六章 張衡と占術
一 「思玄賦」の占術表現
二 『霊憲』の占術表現
三 讖緯に対する態度
第七章 張衡佚文の考察
一 張衡の星・星座・惑星の知識
二 張衡の佚文
三 張衡佚文と『晋志』、『史記正義』
四 張衡佚文の検討
(附表)張衡の佚文対照表
第八章 『海中占』関連文献に関する基礎的考察
一 目録中の「海中」諸文献
二 「海中」諸文献の「海中」に対する認識
三 『海中星占』、『海中占』の佚文
四 『海中占』の占辞の特徴
五 「海中」の検討
附 『海中占』の輯佚
終章 本書のまとめ
参考文献一覧/跋/索引