凡 例
志怪年表
序章 六朝志怪と怪異の歴史記録
1 怪を志す「小説」
2 「怪」とは何か
3 志怪はどのように位置づけられてきたのか
4 志怪のテキストについて
第Ⅰ部 史の伝統の中で
第1章 志怪の文脈 —— 歴史書の拡大と変異の記録
1 史と志怪
2 雑伝書
3 五行志
4 変異情報の伝達と編集
第2章 志怪の系譜 —— 五行志との関わりを手掛かりに
1 応劭『風俗通義』における災異と怪異 —— 志怪誕生の素地
2 干宝『捜神記』と五行志 —— 志怪の成立
3 南朝宋時代の変異記録の行方と志怪 —— 『宋書』五行志と『異苑』を中心に
第3章 志怪の怪
1 廟 神
2 幽 鬼
第Ⅱ部 仏教を受け止めて
第4章 志怪における僧侶 —— 新たなる怪異との邂逅
1 仏教伝来と志怪への影響
2 僧侶と志怪
3 僧伝と志怪
第5章 仏教志怪の系譜 —— 応験記との関わりを手掛かりに
1 仏教志怪の誕生
2 『幽明録』『宣験記』と『冥祥記』—— その内容の違い
3 『繋観世音応験記』の構成と他の仏教志怪
4 応験譚の南北差 —— 佚名の文献資料を手掛かりに
5 応験記と志怪
第6章 冥界遊行の仏教化
1 僧侶の冥界遊行 —— 慧達劉薩荷を例に
2 僧侶の冥界遊行が作られた理由
3 『冥祥記』の僧侶と『高僧伝』の僧侶
終章 中国「小説」史への吸収
1 実録という形式と態度
2 実録という形式を用いた虚構
3 唐代における二種類の「伝」と歴史からの離脱
注 あとがき
引用書目 書名・作品名索引 人名索引