山崎藍『中国古典文学に描かれた厠・井戸・簪民俗学的視点に基づく考察』(勉誠出版、2020年)

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緒 言

第一章 正と負の厠神―中国における厠観―
一 はじめに
二 日本、中国における厠関連研究の整理
三 建築物としての厠
四 害悪をもたらす負の厠神―附・厠での禁忌―
五 正の厠神
六 正と負の厠観の共存―結びにかえて―

第二章 元稹「夢井」考―中国における井戸観―
一 はじめに
二 清らかさ―民を養う井戸―
三 閉塞感―淀んだ井戸―
四 異界への通り道―文言小説における井戸を中心に―
五 故郷の景象と井桐―時の経過と憂愁―
六 元稹「夢井」の位置
七 おわりに

第三章 元稹「夢井」における「遶井」の意味―死者を悼む旋回儀礼―
一 はじめに
二 問題提起
三 「めぐる」行為に関する先行研究の整理
四 「夢井」における「めぐる」行為(一)―「徘徊遶井顧」―
五 「夢井」における「めぐる」行為(二)―「還来遶井哭」―
六 おわりに

第四章 李白「長干行二首 其一」における「遶牀」―婚姻に関する旋回儀礼―
一 はじめに
二 「長干行二首 其一」原文および問題提起
三 「青梅」について―梅と愛、婚姻―
四 めぐる行為と婚姻儀礼―「帳」「廬」と「遶牀」―
五 「長干行」の「牀」―唐代の詩文における井牀と『伊勢物語』―
六 おわりに

第五章 李賀「後園鑿井」考―釣瓶と轆轤に託されたもの―
一 はじめに
二 李賀「後園鑿井」原文と注釈整理
三 李賀「後園鑿井」解釈―第一句から第二句「井上轆轤 牀上転」―
四 李賀「後園鑿井」解釈―釣瓶と轆轤に託されたもの―
五 李賀「後園鑿井」解釈―第七句から第十句・時間と太陽―
六 おわりに

第六章 白居易「長恨歌」の試み―かんざしの喪失と破鏡重円故事―
一 はじめに
二 中国におけるかんざしの名称
三 隋代までのかんざし詩
四 唐代におけるかんざし詩
五 おわりに

附 流れる汗・にじむ汗―白居易における舞妓の汗描写を中心に―
一 はじめに
二 隋までの作品―流れる汗からにじむ汗へ―
三 唐代における汗描写
四 西方音楽の流行―白居易の楽舞詩と汗描写―
五 おわりに

補論一 京都大学人文科学研究所所蔵『天地瑞祥志』第十六翻刻・校注―「醴泉」「井」―

補論二 日本の古典文学における井戸描写概説

結 語
あとがき
主要参考文献一覧
英文摘要・中文摘要
索引 (人名索引・作品名索引・書名索引)